健康を左右する音の重要性
健康を左右する音の重要性
トマティス博士が発見した「トマティス理論」では、聴力検査ができる125ヘルツから8000ヘルツを3つのゾーンに分け、それぞれが人間にどう関係しているかを明らかにしています(以下『絶対モーツアルト法』篠原佳年著、マガジンハウス刊から引用)
「第一ゾーン : 125から800Hz : 低周波領域
この音域は、音楽やダンスでのリズムでのリズム感、スポーツでは体のイメージ・バランス感覚、学習面では時間的空間的概念に関係しています。体では尾てい骨から腹部あたりに対応します。
第二ゾーン : 800から3000Hz : 中周波音域
この音域は、音楽やダンスでは音程やメロディ、感情表現、語学では記憶力、言語における説明力、社会生活におけるコミュニケーションに関係しています。体では腹部から頸部あたりに対応します。
第三ゾーン : 3000Hzから8000Hz : 高周波音域
この音域は、音楽やダンスでは芸術性や積極性、語学では子音の聴き取り、学習面では知力、生活や仕事面では気力に関係しています。体では頸部から頭頂に対応します」
このトマティス理論におけるとても興味深い主張は、音は耳だけに関係したものではなく、メンタル(心)にもフィジカル(肉体)にも、きわめて濃厚に関係しているものだ、ということです。
この考えに基づき、トマティス博士は、心の状態も体の健康も、聴力検査でわかる、と言っています。
それによると、低い音を聴けば足腰が動きやすくなり、高い音を聴けば頭の働きが速くなり、中音を聴けば、呼吸が安定してコミュニケーションに自信が出てくるということになります。
聴力には、空気で伝わる「気導聴力」と、骨で伝わる「骨導聴力」があります。体に関係しているのが骨導聴力です。自分の骨を伝わって聞こえてくる音が、自分の体に無関係なはずはありません。
骨導聴力の検査範囲は250から4000ヘルツまでですが、これで十分に体の状態がわかります。骨導聴力の感度がいい場合は健康が昂進しており、感度が劣っている場合は、健康が停滞しているとみます。
トマティス理論によれば、例えば、2000ヘルツの感度がほかよりも悪くなっていれば、喉の健康を害している可能性があります。
では、気導聴力は何に関係しているかというと、心の衝動、感情的な部分ととらえることができます。
例えば、低音の感度がよい人は、考える前に動く行動派です。中音の感度がよい人は、表情が豊かですが、感情に流されやすいところがあります。そして高音の感度がよい人は、頭脳が明晰で理知的ですが、行動するタイプではありません。
気導聴力と骨導聴力は、どちらも感度がよいことに越したことはありませんが、何事もバランスが大事です。一部、周波数の聴力だけが抜きんでているというよりも、全体のバランスがなだらかなほうが安定している、とトマティス理論ではみるのです。
聴力によって、その人の心の性格、また、健康までわかるというのは、驚きではないでしょうか。
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