「天地脳」の間にある障壁
「天地脳」の間にある障壁
ロシアのロザノフ教授は、カルコフ大学に提出した学位論文の中で、普通の人間には脳の中に暗示に反抗する障壁があり、それが学習を難しくしている、と説いています。
その障壁として、博士は、批判的・理論的障壁、直感的・感情的障壁、倫理的障壁、の3つを挙げています。
博士は、もしこの学習の障壁を切り崩せば、学習が非常に楽になることを説き、そのために、リラックスと精神集中が必要である、と言っています。
ここで理解しておきたいのは、人間の顕在意識(地脳)と潜在意識(天脳)との間にも障壁があるということです。これは、自分の頭の中に朝鮮半島の38度線があるようなものです。
北朝鮮と韓国の往来が可能なのは、非武装地帯の38度線上にある板門店だけであり、とても細い道です。これと同じように、人間の天地脳の間も往来が難しく、なかなか天脳にある潜在力を活用することができません。
無限の可能性の宝庫である潜在意識は、顕在意識と分断されていて活用できない状態にあるのです。
この障壁が突破され、天地脳の間に自由往来が可能になったとき、私たちの脳がどれほどの働きをするかは、想像を絶するものがあるでしょう。人間の脳力を左右する条件として、天地脳の障壁があることは、最重要ポイントです。
人間が小宇宙であると言われる、その意味するところはさまざまですが、デジ速理論では、小宇宙である人間は、宇宙規模の記憶システムを与えられていると考えています。
人間がなぜ、多様な音に反応するかというと、人間には最初からあらゆる音に感動するように創られているからです。人間の声帯は、犬の“ワンワン”から猿の“キャッキャッ”などまであらゆる種類の動物の鳴き声や楽器の音などさえも真似ることができます。
これは、人間の発声器官があたかも、他の動物の発声器官の集大成のようなものであり、逆の見方をすれば、人間の声帯の一部をもって他の生物の声帯を作ったような感じすらします。
同様に、自分では気づかないでも、この宇宙に該当する知識を、誰しも共通に与えられて生まれてきているのです。
ただし、その知識は基本的に、無意識の潜在意識の中にあるので、今まで障壁があってなかなか顕在意識に現れてこなかっただけなのです。
また、潜在意識にある無限の記憶システムも、おぼろげな記憶の知識のイメージがあるだけで、具体的なイメージとしてあるものではありません。それをもっと具体的なものとして定着させるために、「記憶」という作業があると考えられます。
a:1626 t:1 y:0